ベールキン物語

ベールキン物語

ベールキン物語は、イヴァン・ペトローヴィチ・ベールキンによって書かれたという設定を取っている、プーシキンの短編集で5つの作品が収められている。5つの作品とは、「その一発」、「吹雪」、「駅長」、「葬儀屋」、「百姓令嬢」である。簡潔で明瞭な文章によって、個性的な人物たちが登場する起伏があって思わず引き込まれる物語を描いている。訳者の文章も非常に格調高く、名訳ではなかろうか。

プーシキンの以前にロシア散文文学がなかったということを考えると、金字塔のような作品である。

「スペードの女王・ベールキン物語」 岩波文庫 プーシキン著 神西清訳



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