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フィネガンズ・ウェイク 17 壮大な連続体のなかで

話の筋はさっぱりと見えないが、そこに記されている文字や文章には、はっとさせられるいものが並んでいる。むしろ気にならない文章を探す方が難しいくらいである。木を見て森を見ずという警句がまさにぴったりで、そこに在る文章がいずれも非常に個性的で意味深いものになっていて、その稠密さ故に、私のような者には底辺に流れる文脈にまでたどり着けず、結果として物語の筋が把握できない。 数多くの者が、否、仰山の人間がまだ死の天使に召されずして今日このわれらの国にあり、この壮大な連続体のなかで慎ましき不可分個々として、宿命に神圧され偶膳に焜弄されつつ、時刻と日々のあるあいだ、彼らのこの地からおのれらがけっして去らないことを天上の霊に熱烈に祈るであろう、(3・4巻p150) 壮大な連続体。生命が親から子へと脈々と続く流れを指しているのであろうか。それとも個々の生命を超えて生態系全体を指しているのであろうか。一つの文章を読むのにさえ考えさせられてしまう。 「フィネガンズ・ウェイク」 河出文庫 ジェイムズ・ジョイス著 柳瀬尚紀訳

フィネガンズ・ウェイク 16 雷鳴

物語のあちこちの箇所で、凄まじい大音声をたてて雷鳴が轟き渡る。そららの雷鳴は、言葉がいくつも並べられ重ねられて出来上がっているようだ。最初の雷鳴は、フィネガンが転落したときの音。それ以外も合わせて10の雷鳴が轟く。 ババババベラガガラババボンプティドッヒャンプティゴゴロゴロゲギカミナロンコンサンダダンダダウォールルガガイッテヘヘヘトールトルルトロンブロンビピッカズゼゾンンドドーッフダフラフクオオヤジジグシャーッン!(1巻p20) ガゴロゴミカズチガッシャナリイーンピッシャハンドレッドダンラガラコンジョインフィワンイナズマライウネガンエイチヴィアンスタンプランイゾルデトリクイーンヘイテンデスオジカンデスロカニャシーイーアナリンコ!(1巻p55) ガラガラガッシャンチャリーンハンプティダンプティカンパーイパトリックパースドッシャーンフィネガンガッツーンクロムウェルイアウィッカーフルートチェロリュートピゴオトパーネルアーサーギネスイノチミズオオ!(1巻p92) コンスシオリマクチクチョウバイタメイュンクソッタレアイコハルランドイナヅマピッカリゴスケベエオンナヤンパンバイショウフバイシンオマンマグリキンチャヌレボボタニマクリトリリパフキデルタオケケロゴロスケク(1巻p178) コトノクネクネヒネクレマガリニソトウチノスベテノマキバニロクジュウラシキカレノカノジョユルシヲグルグルリメグリニシャベリマクリノキンキンカンカンオドリノションボリココロニモンノナカノゾイテミタンダナヨ(1巻p218) ルサカバハヘミナリオヤジガトヲシメイテロゴロピカカシャッピトザドアートジマヨウチヘオリゲンジュウガッシャワレエドモルグランガスガビンガコンヤラガラゴハオシマイノンベカエリンコタカオカズヒコションベンカ(2巻p79) ミンナナカグルリトマワサンドボリヲタイコタタキノユメミガンプティヘイカラテンラクドヨクツドッテッダンプティヒャンチニハドップリザブシッコザブオシタヨクボキョウコータールウォーンデフルカワタクンノゲホン(2巻p225) パッパカパッパカヒンヒンハイハイドウドウヌカサンダブリンスカロクヤドロクワッセギッタンバッコノノノジノノヌフモンガンマックマックマックハッチャキオッコチボボエンヤトットノダブラントウチャンドゥードゥル(2巻p261) エッヘンガホゴホゴッガホイイシイエッチセキバ