ジェイムズ・ジョイス 「フィネガンズ・ウェイク」 21 わが終末裔らよ

物語はクライマックスに向かって進んでいく。ショーンの語りの後には、四賢人たちによる対話が続いた。四人の賢人は、聖書の福音の著者を指し、そこに復活が重ねられている。ショーンは誰を示しているのだろうか。復活する父の子だろうか。

では、終末裔とは。復活する人のこと?血筋の最後の人、もうそれ以上は血筋が下らない人。

低く、長く、嘆き声がひろがった。あくび然たるヨーンが低く横たわっていた。(略)印画にも彼の夢独白は終わったが、いん果にもその劇的多弁論過はまだ先のことだった。(3・4巻p152)

くだんの四粘人はともに登り、彼に対して誓いも固き星法院式詮索を開始した。なにしろ彼がつねづね彼らのいさかいのもと、いかなる女も観念をもつのに加えていかなる虫も肉体をもつことからして、彼ら自身がどう見るか、彼らの深夜会議は彼の一席二朝に値したのだった。(3・4巻p154)

いまや、この教義の到達するに、われわれは結果を誘起する誘発的原因と後他つき結果をときおり誘因的に再起させる感化とを有しておるわけだ。(3・4巻p170)

わが終末裔らよ、第一動因に対照して、ぼくの始祖末なるその父は知っているのだ、ぼくの思うに、そこからぼくは起因され、自己なるしるしとしてあり、空、浜、瀬を住まいつつあるものとなったのもぼくは聖職志贋を親託されたことに関してで将来の立場を所有しながら三度時自我のほうへと落ち込みながらもなお幼皮のままでいたころに習慣がついて(3・4巻p171)

そして、話さにゃなりません、日供堂に如何様しくもよみがえる!!!(3・4巻p190)

「フィネガンズ・ウェイク」 河出文庫 ジェイムズ・ジョイス著 柳瀬尚紀訳





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