フィネガンズ・ウェイク 19 ドンキー


なんという原初の光景!
もしわしがグレゴリー氏やライオンズ氏、ならびにドクター・ターピーの、それにそうそう、ミスター・マクドガル尊師の一致せる賢頭をもっておれば、ところがわしは、お驢下者だからして、彼らの四部飄飄踉老の鈍キーにすぎん。(3・4巻p12)

すると見よ(目せよ、おお黙せよ!)私見わたる私流なして、翠旒の赤冷へ青流したるごとく、吹き流され、死ん淵のあん黒を抜けて緑いんとsてい深くわしは声音を聞いた、ショーンのしょう音を愛蘭民の國音を、遠いかなたからのぎょう音を(3・4巻p16)


「フィネガンズ・ウェイク」 河出文庫 ジェイムズ・ジョイス著 柳瀬尚紀訳





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