フィネガンズ・ウェイク 7 不実の不寝番

フィネガンの通夜の不寝番達。

われらが呶物園のライオンがナイルの睡蓮たちを記憶しているように(獅リウスが子リオンを、棒霊が窓リッド出の惑マーゼルらの裸脚を、はたして忘却しようか?)おそらくは、二九まれごとの次第をじゅうぶん帯知したちびりちびらがわれらが頼信胸に封印投函したごとく、籠城の身は年のせいで落ちぶれた己を滅ぼしたあの下隠しの百合リリスたちのことをこっそりひたすら床夢に見て、彼の通夜の不実の不寝番たちに気づかずにおり、彼らはそこにいたのだった。(1巻p150)

不寝番達は、寝ながらの不寝番であったよう。その傍にいたのは誰だろう。

「フィネガンズ・ウェイク」 河出文庫 ジェイムズ・ジョイス著 柳瀬尚紀訳





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