シャルルマーニュ伝説 4 馬・怪物・剣

騎士達が乗る馬には、驚くべき能力を持ったものがある。人のように賢いもの。空を飛べるもの。肌が鉄のように堅く、どのような剣でも突き抜くことが出来ないもの。

騎士が闘う怪物もそうである。肌が非常に堅くできており、剣でも突き抜くことができないものが多く登場する。しかし、そのような怪物達にもたいがい弱点があり、ある部分だけが柔らかくできていたりする。

剣にしても同様で、どのような堅いものでも貫くことが出来るものが出てくる。しかし、先出の怪物のほうが堅く、貫くことは出来なかった。

荒唐無稽な話ではあるが、中世という時代を後世から振り返り、想像をたくましくして描いたものであろう。ドン・キホーテの物語において、ドン・キホーテが夢みている騎士の姿がどのようなものであったかを想像するとき、この物語が助けてくれる。

「シャルルマーニュ伝説」 講談社学術文庫 トマス・ブルフィンチ著 市場泰男訳





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