シャルルマーニュ伝説 2 若き騎士達

物語には幾人もの勇者が出てくる。中世の騎士である。オルランド、リナルドという騎士達であるが、彼らは貴族の出で、シャルルマーニュとも血縁関係にあるという設定になっている。

適役となる勇者には、アグリカン、グラダッソ、マンドリカルドなど、シャルルマーニュから見て異教徒の人々が登場してくる。イスラム教徒であったり、タタール人や中国人であったりする。(名前は、それらしくないが。)

若い騎士達は、お互いの中で腕比べをしたり、イスラム教徒や東方の民族と闘ったりする。イスラム教徒が出てくるのは、シャルルマーニュの時代に、北アフリカからイベリア半島へと侵略を続けたイスラム教徒と、フランス進入を阻止して闘った歴史的な背景があるのだろう。

中世ヨーロッパだけに話が留まらず、イスラム、中国と国際的な視野で物語が展開するのは興味深い。


「シャルルマーニュ伝説」 講談社学術文庫 トマス・ブルフィンチ著 市場泰男訳






コメント

このブログの人気の投稿

フレイザー 「金枝篇」 ネミの祭司と神殺し

ヴォルテール 「カンディード」 自分の庭を耕すこと

安部公房 「デンドロカカリヤ」 意味の喪失