ジェイムズ・ジョイス 「フィネガンズ・ウェイク」 26 見よ、彼が戻ってくる。

IV巻では、女性の語りになる。

子供が、実の子が、いろんな記憶名で既知られていたのが(ちゅんちゅん)、たぶん最近の、ひょっとして遠くの年に攫われちゃったらしかった。それとも呪文の早業で消えちゃった。うまいものだよレモンの乙よ。(3・4巻p400)

見よ、彼が戻ってくる。再生祖生。フィンぐり返った化身。(3・4巻p400)

子供が攫われて消えてしまう、と語り始めるのは母親、聖母マリアを暗示しているのだろうか。
そして、その子は蘇って帰ってくるのである。


「フィネガンズ・ウェイク」 河出文庫 ジェイムズ・ジョイス著 柳瀬尚紀訳





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